イケメンクラスメイトの推し愛が重い



「な、直……っ!……くん…」


「……“くん”はいらないけど…
やば…。
めちゃくちゃ嬉しいから、『直くん』でいいです」




『じゃあ行きましょう』って切り替え早い梅森くん。


心なしか、髪の隙間から覗く梅森くんの耳が、赤く染まっている気がした。











「……なんもないね」


「……はい」




道なりに歩いてきたけど


金沢さん家を出て広がっていたのは、田舎の景色。



ずーっと海を見ながら、たまにバス停があるだけの何もない道をただひたすらに歩いていた。




「今のところ、全然楽しくないんだけど」


「……ですよね」




やっぱり上手くいかないって。


梅森くん、なんでそんなに自信あったんだよ。



無理に決まってるじゃん。



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