イケメンクラスメイトの推し愛が重い



「直くん、見てくれるといいね」


「茉美が見てほしいだけじゃないの」


「それもある」




ニコニコ笑いながら、茉美は私の髪を巻いてくれる。




「……あたしさ、
志歩にメイクするの、実はいつも楽しみだった」


「え?」


「友達にメイクするの、
初めてで、楽しくて、
ステージ以外でも、楽しみが多かったよ」


「……」


「だから、ありがとう」




どうして。


『ありがとう』は、こっちのセリフだよ。




「……私は
茉美が鬱陶しかった」


「えぇ!?」


「楽屋じゃ着替えは散らかすし、
靴は雑に脱ぐし、
お菓子を持ってくるくせに食べかけで片付けせずに帰るし」


「ゔ…」


「……だけど、
歌もダンスも一生懸命で
私にオシャレを教えてくれて、
茉美がいなかったら、私はここにいなかった。

私とMi☆Miをやってくれて、ありがとう」




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