イケメンクラスメイトの推し愛が重い
ふぅ、と息を吐き。
茉美と目を合わせて、互いにうなずいた。
『こんにちはー!』
マイクを握り、
元気に挨拶して登場…したものの。
「……誰?」
「生徒会の人でもないよな…?」
「結城ひなちゃんは?」
騙されたのか?というざわめきが大きくなる。
……私たちが歓迎されてないのは、最初からわかってたし、覚悟してた。
だけど……。
地下のステージに立っているときは、少なくともドルオタの人が盛り上げてくれて…
だからこんなに静かで、冷たい視線が向けられるのは初めてで…
「……志歩…?」
「……あ…」
どうしよう。
なにを、話せば…
足が震える。
こんな状態で、歌えるの?踊れるの?
ダメだ……怖い……!