イケメンクラスメイトの推し愛が重い
『──♪〜』
地下のライブハウスで歌ってた時と同じ。
だけどどうしてだろう。
あの時よりずっと軽くて
楽しい。
体育館の真ん中で揺れるたった一本のペンライトが、眩しい。
梅森くん、わざわざ家からペンライト持ってきたのかな。あのうちわも、わざわざ作ったのかな。
そう考えたら、なんだかすごく、嬉しくて。
「……なんか、
あの子可愛くね?」
「笑顔かわいいよね。
こっちも、思わず頬が緩んじゃう」
自然と顔が緩んで、
いつもよりも楽に歌えた気がした。
曲のサビ部分に入ったとき
強く振られるペンライトと。
──パン!パン!
(!)
曲に合わせて、手拍子が鳴る。
最初は小さかった手拍子の音が、だんだんと大きくなって。
さっきまで静かだった体育館が、手拍子の音や合いの手の声に包まれた。