死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
◆
「────ッ!!?」
「お目覚めですか? 殿下」
目を覚ますと馬上だった。どうやらローレンスはうたた寝をしていたようだ。
「僕としたことが…」
景色は港町から一変、煉瓦造りの建物が点々とある寂しい街だ。だが道が綺麗に整備されているうえ、すれ違う荷馬車の数が桁違いに多いので、大きな町を結ぶルートなのだろう。
「到着までもう少しかかるので、寝ていても大丈夫ですよ」
「いや、もう大丈夫だ。それに…」
ローレンスは上半身を見下ろした。
身体には紐がしっかりと巻かれ、前にいるマリスの身体に括り付けられている状態だ。
恐らく監禁されていたローレンスの体調を考慮し、馬の上でも眠っても大丈夫なようにしてくれたのだとは思うが…。
「どうかなさいましたか?」
「何でもない。それよりも、助けてくれてありがとう」
閉じ込められていた塔から脱出したローレンスは、助けてくれた少年──マリスと共に馬に乗っている。
ローレンスが跨っているのは愛馬のリリーだ。帝国領で襲われた時に離れ離れになっていたが、マリスを乗せてここまで連れてきてくれたという。
「────ッ!!?」
「お目覚めですか? 殿下」
目を覚ますと馬上だった。どうやらローレンスはうたた寝をしていたようだ。
「僕としたことが…」
景色は港町から一変、煉瓦造りの建物が点々とある寂しい街だ。だが道が綺麗に整備されているうえ、すれ違う荷馬車の数が桁違いに多いので、大きな町を結ぶルートなのだろう。
「到着までもう少しかかるので、寝ていても大丈夫ですよ」
「いや、もう大丈夫だ。それに…」
ローレンスは上半身を見下ろした。
身体には紐がしっかりと巻かれ、前にいるマリスの身体に括り付けられている状態だ。
恐らく監禁されていたローレンスの体調を考慮し、馬の上でも眠っても大丈夫なようにしてくれたのだとは思うが…。
「どうかなさいましたか?」
「何でもない。それよりも、助けてくれてありがとう」
閉じ込められていた塔から脱出したローレンスは、助けてくれた少年──マリスと共に馬に乗っている。
ローレンスが跨っているのは愛馬のリリーだ。帝国領で襲われた時に離れ離れになっていたが、マリスを乗せてここまで連れてきてくれたという。