死に戻り皇女は禁色の王子と夢をみる
そして、深い哀しみの海に沈んでいたリアンを置いて──二人の王は証を立てるために直ぐに臣下を召集させると、玉座の間で約束を記した文書に署名をした。
本日これより、王国は帝国の統治下に入ること。国教であるオルヴィス教会は解体、今後は一切の宗教的な活動を禁じること。
王太子の身でありながら独断で軍を動かし、他国の領土を脅かさんとした王太子の母親──エルザ王妃とその一族・シャルマーニ公爵家はこれまでの罪が明らかとなり、一門は国外追放となった。
国王の座を返還したロイスチェラムは国が混乱に陥らないよう尽力した。三代に亘る王家の罪を明かし、正統なる王の名を民に告げると、帝国の監視下のもと離宮に移ることになった。
この事件により、王国は君主を失ったが、その代理人として帝国は皇弟ローレンスを遣わした。
国と民を守るために、療養中であった太皇太后と北方貴族に協力を仰ぎ、直ぐに軍を編成して国境に駆けつけたローレンスならばと見込んでのことだろう。
──事件から十日目の夜に、ようやくクローディアはリアンと再会した。一連の事件の後処理でリアンが王国に行っていた為である。
城に到着し、何よりも先にリアンはクローディアの下に行くと、ふたりは互いの無事を確かめるように強く抱きしめ合った。
「おかえりなさい、リアン」
「ただいま、ディア」
たったの数日離れていただけなのに、寂しさで胸がいっぱいだったクローディアは、少し痩せたリアンの頬に触れた。ちゃんと眠れていないのか、目元には隈が浮かんでいる。疲労も溜まっているのだろう。