総長さんは慰めたい。(短)
「はぁ」と割と大きいため息をついてから、しまった!と口を押えた。総長さんに聞こえてたら「なんだ今のため息は。俺といてつまらねーのか?」とかイチャモン付けられるかもしれない!
だけど、私の不安は瞬時に消え去った。だって隣のいるはずの総長さんは、いつの間にかいなくなっていたから。
「(一体どこに……あ、いた)」
辺りを見渡すと、少し離れたところで何人かの男子とつるんでいる。
「男子」なんて言ってるけど、絶対に友達ではない。だって、総長さんにペコペコお辞儀してるし「〜ッス!」とかも聞こえる。
あれは――部下だ。絶対そう。
何を話してるか、気になる。内容を聞いたらボコボコに殴られる?いや、それはないか。
「……ちょっとだけ」好奇心に負けて、こっそり近づいて聞き耳を立てる事にした。