総長さんは慰めたい。(短)



「草の根分けてでも探し出せ!」

「「「うッス!!!」」」



「(あぁ!もう!!)」




だから、ダメなんだってば!



私は手でメガホンの形を作り、遠くにいる部下にも聞こえるように声を張り上げる。




「拳は柔道黒帯で全国一位を取りました!最近は一位に飽きたと言ってボクシングを始めました!拳のコブシは名前の通りスゴいですよ!

これでも行きますか!?」




出来うる限り大きな声で叫んだ。すると、少しチリジリになっていた部下たちが総長さんの元に戻ってきた。




「すんません、総長……俺、今朝から腹が痛くて」

「俺もッス……なんか頭痛がして……。お役に立てず申し訳ねーッス」




戻ってきた部下たちは、各々に痛い箇所を申告し、そして疎らに帰って行った。残るのは、総長さんただ一人。

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