総長さんは慰めたい。(短)
「あ、あの……」
「……」
総長さんの後ろ姿しか見えないけど……な、なに考えてるんだろう。まさか、単独で乗り込む!!とか言うんじゃないよね?
すると、クルッと私の方を向いた総長さん。顔はさっきとは打って変わって、生気の抜けたような萎んだ顔つきになっていた。
「そ、総長さん……?」
恐る恐る声をかける。いや、だって、何をしでかすか分かったもんじゃないし……!
すると、イケメンだった顔は見る影もなく、総長さんから弱々しい言葉が出てきた。
「俺……今朝から目眩がして……」
「……」
「すまんモッチー。これじゃ敵討ちに行けねーわ……。もしかしたら、俺は大病を患ってるのかもしれねぇ……」
「大病ですか。病気だけに“臆病”とか?なーんて」
「……」
「(ハッ!私ったら、つい……!)」