総長さんは慰めたい。(短)







パチっ




「んぅ……」




目を開けると、薄明るい夕焼けにより、私がいる場所の詳細が少しだけ分かる。

何もないだだっ広い体育館みたいな場所。だけど地面はコンクリートで、少し寒くすら感じる。窓という窓はガラスがなくて、吹き曝しだ。ここは、どこかの倉庫なのかな?




「今、何時……」




夕焼けって事は、さっきからあまり時間が経っていないということ。どれくらい気を失っていたんだろう。時計は、さすがにないか。

そう思いながらキョロキョロしていると、離れた場所に人影が見えた。でも、なんか変な格好をしていて……なんだ、あれ?

手足は拘束されていなかったので、自由に歩く。最初の一歩を踏み出した時に何も起こらなかったから、きっとどれだけ歩いても危害を加えられることは無いだろう。


< 38 / 77 >

この作品をシェア

pagetop