総長さんは慰めたい。(短)

背中を丸めて痛がっていたのに、強がっているのかスクッと姿勢正しく立った誘拐犯。当然「う!」と痛みが襲ってきて、誘拐犯はまた蹲ってしまった。

それを見ると、なんというか……総長さんとどこか同じ匂いがした。ちょっと抜けているというか……なんだろう。既視感が止まらない。



私はゆっくりと誘拐犯に近づき、いくつか質問をする。




「ここにいるのは本当にあなただけですか?危害を加えそうな人とか隠れてませんか?」

「みんな僕に愛想をつかして、生憎と一人だよ」

「そうですか。じゃあ私は自由に行動できますね。では、まずは服を脱いでください」

「は?お前、何言って!」




顔を赤くして二、三歩後ずさった誘拐犯に「違います」とビシッと否定する。


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