総長さんは慰めたい。(短)
「私の母が病院で働いていまして、その辺の心得があるだけです。だから見せてください。もしかすればお役に立てるかもしれない」
「ふん、そんな嘘を誰が信じるかっての。さしづめ、僕が良い男だからって、ここで食おうってハラだろ?願い下げだよ、お前みたいな女!」
ピシッ
自分の顔に青筋が入るのが分かる。勝手に誘拐しておいて、この言い草。さっき私に「この可愛い顔が」どーたらこーたら言ってなかった?
穏便に済ませようかと思ったけど、やめた。私は「失礼しますよ」と言って誘拐犯を押さえつけて怪我の具合を見た。すると――「うわ」思わず声が出た。
それは、見てはいけないレベルの怪我だった。なので詳しく説明するのは、割愛しておく。