総長さんは慰めたい。(短)
「あなたバカですか?なんでこんな怪我でフラフラ歩いて女を担いでるんですか?」
「バカって言うな……痛くないからもう大丈夫かなって思っただけだって」
「それは痛み止めで痛覚を麻痺させてるだけです。れっきとした重症ですよ、これは」
病院でガッチリ包帯が巻かれているはずなのに、その包帯さえもジワジワと赤い血が顔を出している。間違いない、まだ出血している。
「とりあえず止血しないとダメですが……何かタオルとかお持ちで?」
「その辺に落ちてるだろ、アレ使いなよ」
「そんな菌まみれのタオルなんて使ったら、感染症に合併症にオンパレードでマジでこの世とおサラバしますよ?」
「いいよ、それでも」
「……」
「だって僕、もう一人ぼっちだもん。生きてたって、楽しい事なんか無いに決まってる」
「……はぁ」