総長さんは慰めたい。(短)


本当は完璧に止血したいけど、力も知識も布も、何もかもが不足しているこの状態じゃ無理だ。諦めよう。

それに、大の男のお腹をグルグル巻くのって、結構疲れる。ギューって力をこめて縛ったりしたから、猶更。既に手が筋肉痛でワナワナと震えているくらいだ。




「はぁ、疲れた」

「おい、僕の足の上に乗るな」

「上半身くらい置いたっていいじゃないですか。こっちは制服が破れて寒いんですよ。人肌の温度で温めてください」

「……ったく。可愛ねー女」

「どうぞ、ご自由に」




今この瞬間、誘拐犯が元気百パーセントなら、何をされるか分からない。怖すぎる。

けど、血を流して地面に横たわってたんじゃ、反対に怖くなさすぎる。私の態度が大きいのは、自分が優勢だと分かっているからだ。

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