総長さんは慰めたい。(短)

もしかしたら自分がひどい目に遭うかもしれないって分かってて、それでも……わざわざ乗り込んでくれたのだろうか。

だとしたら、嬉し過ぎる。そして、優し過ぎる。総長さんが。




「俺は……」




沈黙を破る総長さんの声。私は抑えられない胸のドキドキを、わざと総長さんに押し当てた。総長さんも、私くらいドキドキしていたらいいのに――そんな事を思って。




「ちょ、それやめろ」

「それって、なんですか?」

「そのギューってやつだよ。質の悪い悪戯すんな。俺オトコだぞ……」

「オトコなら、なんですか?」




ウソ。本当は分かってる。こういう事をされると男性が本能的に、女性に反応してしまうのを。

けど、本能に直接訴えでもしない限り、総長さんは私を見ないような気がした。だから、言わばこれは、強行手段だ。

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