総長さんは慰めたい。(短)
気持ちだけでなく、話してる時でさえ私の方を見ないとは……。何となく腹が立って「やっぱりズルいです」と総長さんに言ってやる。
だけど次に返ってきたのは、意外な一言だった。
「ズリーのはお前だろ」
「え?」
「いきなりお姫様みたいに攫われやがって。俺がどんなけ心配したか分かってんのかよ」
ギュッと、握られる手に力が籠ったのが分かった。呼応するように、私の心臓がドクンと跳ね上がる。
「心配、してくれたんですか……?」
「当たり前だろ。何かされてんじゃないかと思って、気が気じゃなかったっての」
「そ、そうですか……」
素っ気ない返事とは裏腹に、内心かなり喜んでいる私がいる。「良かったね」と自分に、そう言われたような気がした。