俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「まぁ、相手が瀬名課長となれば、いろいろ大変でしょうから、隠したくなる気持ちも分からなくはないですけど」

「でも、もうたぶん。終わりかな」

「え? 別れるんですか?」

「……たぶん。そうなるかな」

「それって、夏香先輩がそうしたいんですか?」

砂羽ちゃんの質問にすぐに答えられないのは、きっと私の中にある未練のせいだ。

あんなことになってしまったけれど、私はまだ……。

プルルルル……。

携帯の着信音が響いた。

「あ、ヨシくんからだ」

どうやら宝来くんからの電話らしい。

「先輩、すみません、ちょっと電話して来ていいですか?」

「うん。ごゆっくりどうぞ~」

砂羽ちゃんはニコニコしながら部屋を出て行った。

シーンと静まり返ってその場所。

重い溜め息が漏れる。ひとりになると急に心細くなって気持ちが沈んでいく。

でも、これからはこれが普通の生活になるんだよね。

なんだろう。この複雑な気持ちは。
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