俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
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それから一週間が過ぎた。今日は旭さんがニューヨークから帰ってくる日だ。

朝から胸が高揚している。

早く旭さんに会いたい。

だけど、旭さんは今日、帰国後すぐに取引先の会社のパーティーに顔を出すことになっており、マンションに戻ってくるのは夜遅くになるそうだ。

そんなに長く待てそうになくて、実は午後から半休をもらって、サプライズで空港で旭さんを出迎える予定でいる。

きっと会えるのは数分。それでも、夜中まで会えないよりはいい。

臆病で慎重な私をつき動かすくらいに、旭さんという存在は私にとってかけがえのないものなのだ。

仕事を終え、一度マンションに帰宅し、軽く昼食を食べた。気づけば携帯の時間ばかり気にしている。

旭さんが乗る飛行機が空港につくのは十六時半すぎ。

それに合わせて空港に向かうつもりでいる。

旭さんどんな顔をするかな?

喜んでくれるだろうか。

たった数分、会うだけだというのに洗面室の鏡の前で髪を整えて化粧を直している自分がいる。

こんなに気合を入れて、これじゃまるでデート前のテンションみたい。

こんな風に胸を躍らせる生活が訪れるなんて夢にも思わなかった。
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