俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「ちょっと早かったかな」

はやる気持ちが抑えきれずにだいぶ早く空港来てしまった。

特にすることもないので国際線ターミナルビル内にあるお土産屋さんやカフェでコーヒーを飲んで過ごしていた。

今度、時間があれば旭さんと一緒に旅行に行ってみたいな。

きっと楽しいだろうな。

幸せな妄想は膨らむ。

「そろそろかな」

カフェを出て到着ロビーに向かう。

驚かせたかったので、少し遠めに様子を窺っていた。

「あっ」

こんなに賑わう中でもすぐに旭さんの姿を見つけられた自分自身に驚く。

美形で長身でスタイルがいい旭さんはやはり目立っている。周りの女性がすれ違いざま、旭さんのことをちらりと見ているのが何度も目に入る。

あんな素敵な男性が私の旦那様だなんていまだに信じられない。

「旭さ──」

彼との距離が近づき名前を呼ぼうとしたが、とっさに言葉を呑んで足を止めた。

え?

目の前の光景に目を大きくする。
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