一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
クロエさんの身体を触っていくと、今まで知らなかった首の付け根のピアスを見つけた。
いつもは髪で隠れていたんだろう。
身体を触ることは、地図のない宝探しみたい。
オーバーサイズの服を着ることが多い、クロエさんの身体の線を知る。
右の脇腹に指先を沿わせれば、小さくピクリと反応を返され、耳にキスをすれば熱い吐息が返される。
クロエさんはもう、透明なんかじゃない。
括れを撫でていたクロエさんの指先が、下着の中に侵入していっても、前ほどは怖くはなかった。
唇と指先から部屋中に広がっていく音に耳を塞ぎたかったけれど、ちゃんとこの夜の事を覚えておきたいとも思った。
だけど親指を下着にかけられると、全身が一気に強張って、無意識にシーツを掴んでいた。
「シーツじゃなくて、オレに爪を立てていいんだよ。
ちゃんと、やめるから」
そう言われたけれど、クロエさんに爪を立てようなんて思わなかった。
やめて欲しくない。
「一緒に、おかしくなろうって言ったじゃないですか」
そう言うと、クロエさんは微笑んだ。
満面の笑みだとか、そういったわかりやすい笑顔ではなかった。
だけどそれは、今まで見てきた中で一番の笑顔だった。
この夜、クロエさんと契約よりもっと深く身体を重ね合わせた。
この夜が続けば良いと思ったけれど契約の最終日まで、あまり日は残っていなかった。
いつもは髪で隠れていたんだろう。
身体を触ることは、地図のない宝探しみたい。
オーバーサイズの服を着ることが多い、クロエさんの身体の線を知る。
右の脇腹に指先を沿わせれば、小さくピクリと反応を返され、耳にキスをすれば熱い吐息が返される。
クロエさんはもう、透明なんかじゃない。
括れを撫でていたクロエさんの指先が、下着の中に侵入していっても、前ほどは怖くはなかった。
唇と指先から部屋中に広がっていく音に耳を塞ぎたかったけれど、ちゃんとこの夜の事を覚えておきたいとも思った。
だけど親指を下着にかけられると、全身が一気に強張って、無意識にシーツを掴んでいた。
「シーツじゃなくて、オレに爪を立てていいんだよ。
ちゃんと、やめるから」
そう言われたけれど、クロエさんに爪を立てようなんて思わなかった。
やめて欲しくない。
「一緒に、おかしくなろうって言ったじゃないですか」
そう言うと、クロエさんは微笑んだ。
満面の笑みだとか、そういったわかりやすい笑顔ではなかった。
だけどそれは、今まで見てきた中で一番の笑顔だった。
この夜、クロエさんと契約よりもっと深く身体を重ね合わせた。
この夜が続けば良いと思ったけれど契約の最終日まで、あまり日は残っていなかった。