御曹司の溺愛から逃げられません
どうしよう……。
頭の中は整理がつかない。
家に帰り、ソファに倒れ込むように座り秘書について考えたが想像もつかない。
思い切って瑛太さんにメッセージを送ってみた。

【お疲れ様です。話したいことがあるので手が空いた時に連絡をください】

忙しい彼に気を遣い、私からは滅多に連絡をしないが本社の、しかも秘書課への転勤となると彼に相談すべきだと思った。はからずしも彼と同じ職場への配属となるのだから。

けれど最近忙しいのか連絡も滞りがちであったが、いくら待っても彼からの返信はなかった。

1週間が過ぎ、部長から私の転勤の話がみんなの前で発表されると驚きの声が上がった。

「柴山さんが本社の秘書課?」

誰もがそう思うだろう。自分自身、今だに信じられずにいるのだから周りからはますますそう思われるに違いない。
私は残り2週間で引き継ぎをすることになった。
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