俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
ホテルの最上階にある、夜景が綺麗なイタリアンレストラン。

2人掛けのソファがガラス張りの窓に向かって置かれている。
寄り添いながらソファに座り、しばらく無言で景色を堪能する。

どのくらいそうしていたか分からないけど、気がつくと飲み物が運ばれていて二人で乾杯する。

「優秀賞おめでとう。」

「ありがとうございます。」

今日、ここに来てからいろんな人から何度も口にされた祝福の言葉だけど、翔さんが言うと誰よりも特別な感じがするのはどうしてだろう。

シャンパンを一口飲んでみる。
「これ美味しいです。飲みやすいからお酒じゃないみたい。」

「そうか良かった。」
目を細めて笑う翔さんが夜景に溶け込んで凄く絵になる。

ご飯が運ばれてきて、色とりどりのお皿が机に並ぶ。どれも彩り鮮やかで美味しそう。
「写真撮ってもいいですか?」

「ああ、好きにどうぞ。」

「ご飯もですけど、翔さんもです。」

「俺も?」

「はい、こっち見てください。ニコッと笑って。」

「そう言われても簡単に笑えないよな。」
ふふっと軽く笑う瞬間をすかさず撮る。

「はい、笑顔頂きました。」

「果穂の写真と交換条件だからな。着物を着てる写真。」

「えっ⁉︎着物はだめですよ。
成人式でも無いのに振袖って…結構恥ずかしかったんです。兄が勝手に決めちゃって…。」
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