俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する
「出会ってそんなに経ってないのに好きだって言われても戸惑うよな…。」
翔さんが苦笑いする。

「私、真剣に考えてみます…。」

「ありがとう。
明日は何時に迎えに行けばいい?考えて見ればまともにデートとかした事無いから、何時が妥当かよく分からない。」

「嘘ですよね?翔さんカッコいいから絶対モテるはずです。」

「モテたとしても、好きな子に好きになってもらわないと意味が無い。」

「私も、誰とも付き合った事が無いから良くわかりません……。」

ちょうど赤信号で翔さんがこっちを見てくる。明らかにびっくりしてる、と思う。
表情は読み難い人だけど……。

「じゃあ、初心者同士ちょうどいいな。」
そう言って笑う翔さんはちょっと嬉しそうだ。
「多分、オープンは10時ぐらいだから、
9時半に迎えに行く。」

「分かりました、支度して待ってます。」

「ああ、よろしく。」

里穂のアパートには20分くらいで到着して、そんなに都市から遠くない事が分かった。

「じゃあ、また明日な。
ちゃんと部屋に入るまで見届けたら帰るから。」
「はい。あの…ご飯、ご馳走様でした。」

「ああ、笑顔が貰えたら俺は満足だ。」
そう言って眩しそうに笑う。

果穂はシートベルトを外して車を降りる。
翔さんもわざわざ降りて来てドアを開ける。
< 64 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop