俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する

水族館のあるフロアまで行く道で、人がまばらなエリアに出る。

翔は突然立ち止まって振り返り果穂を見る。

明らかに、いつもの冷静な翔さんでは無くて、動揺してるのが分かるくらい目線が動く。

「果穂もう一度聞く、俺と付き合ってくれるのか？」

「…こんな私で良かったら。」
にこりと笑って頷く。

「俺は、果穂じゃなきゃダメなんだ。」
さっきまで突拍子もない夢を語っていた人なのに、恋愛に関しては不慣れで可愛い人。

「初心者なのでお手柔らかにお願いします…」

「抱きしめていいか？」

えっ⁉︎誰かに見られ大変なんじゃないの？
思わず周りをキョロキョロしてしまう。

返事をする前に抱き寄せられて逞しい腕の中に捕らえられる。
「あ、あの…誰かに見られたら大変です…。」