Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
「明智さん……? どうして……?」
犯人は誠吾の姿を確認した途端、芹香を床に叩きつけて猛スピードで走って逃げ出した。
床に転がったままの芹香は、抵抗し続けたせいで心拍数が上がり、息が上がり頭が朦朧としていたが、それでも犯人の手から逃れられたことへの安心感は大きかった。
こちらに向かって走ってくる足音が徐々に大きくなり、近くで止まったかと思ったその瞬間、芹香の体はふんわりと温かい腕の中に抱えられた。
「大丈夫ですか⁈」
それが誠吾であることは先ほどの声でわかっていたが、先ほど生まれた疑念のせいで、喜びよりも犯人が気になってしまう。
「……私は大丈夫ですから……犯人を追いかけてください……。きっと前に私を誘拐したのも、あの男に決まってますから……」
誠吾の腕から距離を取ろうとして、わざと体の位置をずらそうとするが、彼の手の力が強くて逃れられることが出来なかった。
「あなたという人は……私のそばを離れないようにと言ったはずです」
痛いところを突かれ、咄嗟に視線を逸らす。
「……ちょっとお化粧を直しに出ただけです……。あの、犯人を……」
「それなら一言声をかけるべきじゃないですか?」
耳に届く声には怒りが感じられたため、芹香は誠吾の顔を見ることが出来なかった。
「だ、だって……明智さん、他の女性と話していたし……」
「そうならないようにするのが、今日のあなたの務めではありませんか?」
「確かに……その通りです……」
返す言葉を失い、芹香は唇を噛んで俯いた。その瞬間、芹香の体はさらに誠吾に力強く抱きしめられたが、芹香は何が起きたのかわからず呆然とする。
「急にいなくなったから心配したんですよ。無事で良かった……」
よく考えてみれば、彼の言葉はまるで芹香が襲われることを知っていたようにも聞こえる。
父と兄と明智さんの三人が調査していること、今日の私の不可解な役割、あまりにもタイミングよく飛び出して救出をしてくれたこと──芹香はハッとした。そう考えれば、全ての出来事に納得がいくのだ。
「もしかして……私が狙われているって知っていたんですか?」
誠吾の体がビクッと震えたような気がした。
犯人は誠吾の姿を確認した途端、芹香を床に叩きつけて猛スピードで走って逃げ出した。
床に転がったままの芹香は、抵抗し続けたせいで心拍数が上がり、息が上がり頭が朦朧としていたが、それでも犯人の手から逃れられたことへの安心感は大きかった。
こちらに向かって走ってくる足音が徐々に大きくなり、近くで止まったかと思ったその瞬間、芹香の体はふんわりと温かい腕の中に抱えられた。
「大丈夫ですか⁈」
それが誠吾であることは先ほどの声でわかっていたが、先ほど生まれた疑念のせいで、喜びよりも犯人が気になってしまう。
「……私は大丈夫ですから……犯人を追いかけてください……。きっと前に私を誘拐したのも、あの男に決まってますから……」
誠吾の腕から距離を取ろうとして、わざと体の位置をずらそうとするが、彼の手の力が強くて逃れられることが出来なかった。
「あなたという人は……私のそばを離れないようにと言ったはずです」
痛いところを突かれ、咄嗟に視線を逸らす。
「……ちょっとお化粧を直しに出ただけです……。あの、犯人を……」
「それなら一言声をかけるべきじゃないですか?」
耳に届く声には怒りが感じられたため、芹香は誠吾の顔を見ることが出来なかった。
「だ、だって……明智さん、他の女性と話していたし……」
「そうならないようにするのが、今日のあなたの務めではありませんか?」
「確かに……その通りです……」
返す言葉を失い、芹香は唇を噛んで俯いた。その瞬間、芹香の体はさらに誠吾に力強く抱きしめられたが、芹香は何が起きたのかわからず呆然とする。
「急にいなくなったから心配したんですよ。無事で良かった……」
よく考えてみれば、彼の言葉はまるで芹香が襲われることを知っていたようにも聞こえる。
父と兄と明智さんの三人が調査していること、今日の私の不可解な役割、あまりにもタイミングよく飛び出して救出をしてくれたこと──芹香はハッとした。そう考えれば、全ての出来事に納得がいくのだ。
「もしかして……私が狙われているって知っていたんですか?」
誠吾の体がビクッと震えたような気がした。