Better late than never〜失った恋だけど、もう一度あなたに恋してもいいですか?〜
* * * *
車が会社の前に到着すると、誠吾は芹香の手を握って真っ直ぐに見つめる。
「決して一人きりになってはいけませんよ。昼食も誰かと一緒にとってくださいね」
「大丈夫です。それに帰る時は、明智さんに連絡ですよね」
そうは言ったものの、やはりどこか不安で怖くなり、ほんの少し表情が曇った。
すると誠吾は芹香の髪にそっと触れたかと思うと、頭をグッと引き寄せて唇を重ねた。昨夜ほどの激しいものではなかったが、触れ合った部分から体がほてっていくのを感じる。
座っていて良かった──でなければ、あまりの気持ちよさに腰を抜かしてしまいそうだった。
甘い余韻を残したまま唇が離れると、どこか物足りなさを感じてしまうが、彼と目が合った瞬間にハッと我に返る。
ここは会社の前で、知っている人もたくさんいる。もし見られていたらと思うと、恥ずかしさと気まずさで顔を上げられなかった。
「あ、明智さん! こんなのを誰かに見られたら──」
「むしろ見せて、芹香さんの恋人が私だということを知らしめたいという気持ちはもちろん強くありますが、これは牽制ですよ。盗聴器を仕掛けるくらい、あなたを監視している人間がいるのです。芹香さんに近付くということは、そのバックに私がいるということをわからせなければなりませんから」
「恋人のフリ……ですからね」
義務的なことのように聞こえ、少しだけ寂しくなる。しかしその考えを払拭するかのように、再び誠吾の唇が重なった。
「社長と秀行には恋人のフリ言いましたが、私自身は愛する恋人を守りたい一心ですから」
「……ありがとうございます」
彼の言葉一つで、こんなにも気持ちが安心する。家族とは違う愛が胸が熱くするものだと初めて知った。
「じゃあまた帰る時に……」
「えぇ、くれぐれも気をつけて」
芹香は頷くと、後ろ髪をひかれながら車から降りた。
車が会社の前に到着すると、誠吾は芹香の手を握って真っ直ぐに見つめる。
「決して一人きりになってはいけませんよ。昼食も誰かと一緒にとってくださいね」
「大丈夫です。それに帰る時は、明智さんに連絡ですよね」
そうは言ったものの、やはりどこか不安で怖くなり、ほんの少し表情が曇った。
すると誠吾は芹香の髪にそっと触れたかと思うと、頭をグッと引き寄せて唇を重ねた。昨夜ほどの激しいものではなかったが、触れ合った部分から体がほてっていくのを感じる。
座っていて良かった──でなければ、あまりの気持ちよさに腰を抜かしてしまいそうだった。
甘い余韻を残したまま唇が離れると、どこか物足りなさを感じてしまうが、彼と目が合った瞬間にハッと我に返る。
ここは会社の前で、知っている人もたくさんいる。もし見られていたらと思うと、恥ずかしさと気まずさで顔を上げられなかった。
「あ、明智さん! こんなのを誰かに見られたら──」
「むしろ見せて、芹香さんの恋人が私だということを知らしめたいという気持ちはもちろん強くありますが、これは牽制ですよ。盗聴器を仕掛けるくらい、あなたを監視している人間がいるのです。芹香さんに近付くということは、そのバックに私がいるということをわからせなければなりませんから」
「恋人のフリ……ですからね」
義務的なことのように聞こえ、少しだけ寂しくなる。しかしその考えを払拭するかのように、再び誠吾の唇が重なった。
「社長と秀行には恋人のフリ言いましたが、私自身は愛する恋人を守りたい一心ですから」
「……ありがとうございます」
彼の言葉一つで、こんなにも気持ちが安心する。家族とは違う愛が胸が熱くするものだと初めて知った。
「じゃあまた帰る時に……」
「えぇ、くれぐれも気をつけて」
芹香は頷くと、後ろ髪をひかれながら車から降りた。