僕の特技は秘密です
「男として?それともお兄さんみたいな存在として?」

逃げられないように、ごまかされない様に詰める。

「だ…男性としてちゃんと好きです。」

ずっと聞きたかった言葉に笑顔がこぼれる。もっとシリアスに決めていたかったのに嬉しさから自然と笑顔になってしまう。

「僕のことが好きなら僕を信じてみて。全部うまくやるから。」

と言ってから、つーちゃんの頬にキスをした。頬だけでなくもっと色々なところにキスをしたかったがぐっと堪えた。

「あー…。だけど、一つだけつーちゃんにやってもらわなくちゃいけないことがあるなぁ…。」

意味深げな言い方をし、つーちゃんを見つめる。

「え?私にできる事ならやるわ!」

「なるべく早く大吾くんの告白を断って。僕、嫉妬深いから。」

「…はぃ。」

つーちゃんは少し困ったように返事した。

「とにかくあとは受験勉強を頑張って!試験は来月あたりでしょ?」

「うん、そうなの。来月にはすべて決まるわ。」

「つーちゃんが頑張るんだから、僕も頑張らなくちゃ。こんなにやる気が出たのは生まれて初めてだよ。」

母さんに言われた通り、日付が変わる前につーちゃんを玄関先まで送り届け、自宅へと戻った。

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