愛しい君へ
「ありがとうございます。
…あの… 昨夜同級生の平井に薫が亡くなったって聞いたんですが…本当なんでしょうか?」

「ああ、4/3に亡くなった」

「……すみません。俺、何も知らなくて…本当に申し訳ございません!
薫が病気だったなら離婚なんか絶対にしなかったのに…俺が1番悪いのに…」

「……直史君。薫は最後まで君の悪口も恨み事も口にはしなかったよ。
君が毎日頑張って働いているのに将史の事も私の事も大切にしてくれていたって。
浮気だって、薫は君がキッパリ別れて家庭を選んだ事も知ってたんだよ。」

「ならなぜ…」

「君にはどうしても専門医になって欲しかったと私に言ってたよ。自分の病気がわかったら君が試験より家族を優先しちゃうから離婚したってね。

「………本当に本当に薫にどれだけ謝っても許される事ではありません……
薫に甘えっぱなしの自分が情けなくてどうしようもありません……

あの…本来なら、お義父さんやお義母さんに合わせる顔もないのに厚かましいお願いなんですが…

どうか薫にお線香をあげさせていただけませんか?将史とウチの両親も薫に会いたいんです…」

「……う〜…ん わかりました。
では明日の10時にお待ちしてます。

ところで、マー君も春から幼稚園だから大きくなったでしょう?」

「はい。背も伸びましたし、言葉もたくさん話すようになりました。」

「じゃあ、明日楽しみに待ってます。では」

「本当にありがとうございます!
明日伺わせていただきます。
では、失礼致します。」ガチャ
< 61 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop