愛しい君へ
お義父さんが
「直史君。お父さん、お母さん。薫と直史君は確かに戸籍上は赤の他人ですが…、
直史君の事情が許すのであれば、ウチにいつでも気軽に薫に会いにきて下さい。」とお義父さんもお義母さんも頭を下げた。

俺も両親も「ありがとうございます。」と頭をさげると、将史も「ありがとうごじゃいます!」と返事をした。
食べ終えてそろそろ将史も眠たい様子なのでお暇しようと挨拶する途中で
お義母さんが仏壇の引き出しから指輪のケースを取り出した。
「直史さん、コレね、薫の婚約指輪なんだけど…
もし、貴方かマーちゃんが家に来たら渡して欲しいって預かったの。
薫はマーちゃんが結婚する時にこの指輪をリフォームしてマーちゃんに使ってもらえたらと考えたみたいなの。
直史さんに預かってもらっても良いかしら?」

「……はい。ありがとうございます。大切に保管します。」
ケースを開けてみる。
あのホテルのレストランでコレを薫に渡した日を思い出したら、心が温かくなった。
指輪を受け取り、両親と将史と一緒に松本家を後にした。
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