恋の♡魔法のチョコレート

Magic4.チョコレートバナナ大福

考えれば考えるほどしっくり来た。

不思議に思ってたことが全部スッキリした。

でもどうして小鳩は琴ちゃん先生のために作ったチョコレートを渡さなかったんだろう。

Congratulations!って書かれたメッセージカードはお祝いしたいっていう、その表れだったと思う…

でも渡せなかったのは…

どうして。

「…ぃの、詩乃っ!」

「え?」

「お餅爆発するよ!」

「え?…あ、えっ、うわっ」

電子レンジにお餅を入れて温めボタンを押したまま別世界へ飛びだってた。危うくお餅も世界の果てへ消えるとこだった。

現在絶賛家庭科の調理実習中、テーマはお餅を使った料理。

「ありがと咲希、咲希が教えてくれなかったら空のお皿提出してあたかもあるように振る舞うとこだったよ…裸の王様ならぬ空っぽのお皿だったよ…」

「何言ってんの、詩乃」

慌てて止めた電子レンジからお皿の上に乗ったでろんでろんのお餅を取り出した。温め過ぎちゃったけど、まぁいいか別に影響しないよね。

熱過ぎて直では持てなかったお皿をふきんの上に乗せて自分の担当する調理実習台に戻った。
同じようにお餅を温めていた咲希も一緒に。

いつも来ている家庭科室は、使い慣れてるはずなのに授業で来るとどうしてかソワソワしちゃう。

「詩乃、何悩んでるの?」

程よくいい感じに形を崩したお餅を咲希がスプーンの背で押しつぶしながらなじませてる。
私のお餅はあっつあつで手が付けられないけど固まってしまう前にと置いてかれないようにスプーンを取った。

「ちょっとあっため過ぎたけどたぶん大丈夫だと思う!悩むほどのことじゃないよ!」

べっちゃべちゃでお皿にくっ付き度がすごいけど、どうにかなるでしょ。大丈夫、大丈夫。

「そっちじゃなくて」

「え?」

「私が聞いてるのはそっちじゃない」

スプーンを持つ手が止まる。

咲希の方を見ると目が合った。

「………、悩みって」

でもふいに逸らしちゃった。

急に恥ずかしくなって。

「チョコレート大福作るの?」

「え、うん…中にバナナ入れたチョコレートバナナ大福だよ!咲希はいちご大福なんだよね!」

「それ…小鳩くんに教えてもらったのかと思った」

「まさか!そんなアドバイス一切ないよ!」

だって小鳩はそんな優しい男じゃないもん、睨んで無視してきた男だよ。それもめんどくさそうに。
< 120 / 159 >

この作品をシェア

pagetop