恋の♡魔法のチョコレート
本日晴天、気分上々。

私も絶好調。

「よかったんですか?あげちゃって」

部活に行く途中の小鳩に声をかけた。

今日も小鳩はチョコ研の活動に励むらしく、いつもより荷物も多かった。

今日は何するのかな。

まぁ私には関係ないんだけど、下駄箱まで一緒に行って私は帰るだけだし。

「うん、いいよ。だってね、それで上手くいったんだよ?すごくない?やっぱご利益あったんだよ、あのチョコレートに!」

「はぁ…、それはお互いの思いが一致してたからじゃないですか。もしくは熱意が相手に届いた、ってことじゃないですか」

「…小鳩って、わっかりにくいけど悪い奴ではないよね!むしろ実は良いのかなって思ってる!」

「柳澤さんは時折失礼ですよね」

いつもはスタスタと足早に歩く小鳩なのに、今日はゆっくりに思えた。私の歩幅に合わせてくれてるみたいに。

「…だって私咲希のこと好きだもん、好きな人には変わりないの」

結局オージ先輩には伝えられないままだけど、咲希の想いが光介くんに届いたなら…私だって嬉しいこと。

気分だって明るくなれる。

よかったね、って笑って言えるもんね。

「ただ…小鳩には申し訳なくて。せっかく作ってくれたのに」

「それは構いませんよ、あげたものなので好きにしてもらえれば」

こーゆうドライなとこも小鳩らしさなんだろうな、前までは冷たいって思ってたのに今はそうは思わない。気付いたら小鳩に詳しくなってしまった。

「でも次はいつ僕に作る気が沸くかわかりませんけど」

「そっか~~~~~、じゃあまたチョコレートフォンデュでもする?」

「しませんよ」

「だって楽しかったんでしょ~~~?そう聞こえたよ~~~~!」

「チッ」

「舌打ちした!?」

久しぶりで、なぜだか笑ってしまった。
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