愛されることに 慣れていなくて
不動産屋には幼稚園から近く、今住んでいる場所からは遠いところを探してもらった。実際内見したけれど、なかなか納得いく部屋がなく、他に適当な物件があれば連絡してもらうようにお願いした。



アパートに帰ると、真太郎が玄関前をうろついていた。私を見つけるやいなや、凄まじい勢いでこちらへ向かってくる。

「菜々子お前ふざけんなよ!」

今までに見たことのない形相で、腕を大きく振りかぶった。

殴られる!

私は咄嗟に身を縮めた。

………

あれ?全く痛みを感じない。

恐る恐る目を開けると、誰かが真太郎の腕を掴んでいた。スーツを着た上背のある男性だった。
彼は腕を掴んだまま

「女に暴力か」

低めの冷たい感じの声だった。
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