愛されることに 慣れていなくて

店に入り、中を見渡したけれど、風間さんの姿はなかった。今日はお休みなのだろうかとも思ったが、尋ねてみることにした。

「あのぉ、ここに風間さんという方が勤めてらっしゃると思うのですが」

「風間さん?、すみませ〜ん、風間さんって人働いてましたか?」

クルクルヘアーの若い女性店員が他の店員に投げかける。

「申し訳ございません、風間は1ヶ月ほど前に退職いたしました」

奥で作業をしていた若い男性が申し訳なさそうな表情で返してくれた。

「そうですか」

なるほど、仕事を辞めたからお迎えも定時だったのかと納得した。
けれど、仕事はやりがいもあるし、パートだったけれど宅地建物取引士の資格をとって正社員になれたし、出来ればずっと続けていきたいと以前話していたことがあった。

何かのっぴきならない事情でもあったのだろうか?
そこまで考えたところで、家庭にはそれぞれの事情があるし、桃ちゃんは笑顔で「ママとたくさん一緒にいれる」と話してくれていたので詮索するのをやめた。
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