愛されることに 慣れていなくて
「はい」

「私、久我山ホールディングス、社長秘書を勤めております、山下と申します。少々お時間をいただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

「え、今からですか?」

「はい、社長が直に話がしたいと申しているものですから」

「は、はい、わかりました」

「では、こちらへ」

前方に止めてあった漆黒のセダンの後部座先に座らされた。
隼人さんと同じ車種のようだけれど、彼の車ではないとすぐにわかった。

みなとみらいにあるホテルの正面に横付けされ、ドアマンが後部座席のドアを開けた。

秘書に連れられ中へ入る。

ロビーを抜け、最上階にあるスカイラウンジへと通された。

奥の席に座るように促され、何か飲みたいものがあればとメニューを手渡されたけれど、全く喉も乾いていなかったので断ると、お冷を持ってきてくれた。

まだオープン前なのに、こんな所を利用できるなんてさすが久我山ホールディングスの社長だなと感心した。
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