愛されることに 慣れていなくて

★ 揺るがない信念

正直ニューヨークには行きたくなかった。

5日も彼女と離れなければならないなど、なんの罰ゲームだ。

こうなったら早々に交渉を成立させ帰って来てやる。

1日だけだが、早く帰国することができた。
大急ぎで彼女の待つマンションに向かう。
今日は休みだと言っていたから、笑顔で出迎えてくれるだろうと想像した。

鍵をかざし、玄関扉を開ける。人の気配がしない。だが、彼女の靴はある。
俺はリビングのドアを開けた。部屋の中が暗い。

夜景の明かりだけが部屋を照らしている。

「菜々子?」

返事がない。

照明をオンにし、部屋を見渡した。
ソファーに腰掛ける彼女の後ろ姿があった。

「菜々子、どうしたんだ?電気もつけないで」

しゃがんで彼女の顔を見て驚いた。
顔面蒼白で、魂がどこかへいってしまっているようだったからだ。

一体何があったんだ!

彼女は突然謝ってきた。

「ごめんなさい」と何度も何度も。

そして「追い出して」と泣きながら俺に訴えてきた。
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