愛されることに 慣れていなくて
何が何だかわからない。
何故こんな状況にあるのか…

彼女は追い出してと言うばかり。

そんな時、彼女が何か手にしていることに気がついた。名刺か?

俺はそっと彼女の手から取りあげる。

親父……

「菜々子、親父に会ったのか?何か言われたのか?」

何も答えてはくれない。

「菜々子、ここで待ってろ。絶対待ってろよ」

それだけ告げると俺はSUV車に乗り込み、アクセルを踏んだ。

俺のいない間に彼女と会うなどふざけるな!

俺の怒りは頂点に達していた。

松濤にある実家前に車を止め、一心不乱にリビングへ向かう。

「親父!居るんだろ、親父!」

勢いよくドアを押し開けた。
ソファーには祖父と親父が腰掛けている。
俺は親父のもとに乱暴に向かった。

「なんだ、騒々しい、一体何時だと思っているんだ」

「彼女に何を言った!」

「彼女?」

「とぼけるな!会ったんだろ、彼女に」

「ああ、話をした。早速何か吹き込まれたか?」

「はぁ⁉︎」

「何か吹き込んだのはそっちの方だろうが!」

「事実を話しただけだ」

「事実?」

「いいか、隼人、お前は久我山のトップに立つ人間だ。好きです、結婚しますじゃすまされない立場なんだぞ!」
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