愛されることに 慣れていなくて

★戻って来た時間

参ったな。先手を打たれてしまった。
まさか、彼女からプロポーズされるとは思ってもみなかった。

どんなプロポーズがいいかあれこれと悩んでいたのが一瞬にして吹っ飛んだ。

「お願いがあります」
「私と結婚してくれませんか」

思い出すだけで、すぐにでも抱きしめたくなる。
いや、四六時中抱きしめていたい。
ニヤケが止まらん。どうしたものか。

今日は朝から会議が入っているのに、これではまずい。

「隼斗さま、先ほどから何をされていらっしゃるのですか?表情筋を鍛えていらっしゃるのですか?」

「え?」

「車に乗られてから、ニヤッとしたり真顔になったり」

「ヤバいな」

「ところで隼人さま、クリスマスのホテルとディナーの予約ですが、本当にキャンセルでよろしいのですか?」

そうだった。これも俺のプロポーズ大作戦の中に入っていたのだった。だが、彼女が旅行に行きたいと言い出し、諦めざるを得なかった。

彼女はどこに行くつもりなのだろうか?プライベートなことだから教えられないと言っていたが、婚約者の俺にも内緒にするのはどうかと思うぞ。
帰って確認してみよう。

「早水さん、キャンセルはちょっと待っててくれないか」

「かしこまりました」

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