愛されることに 慣れていなくて
「ねぇ、ママ、桃の言った通りでしょ」

「そうね」

「風間さん、わざわざ来てくださり、ありがとうございました」

「桃が先生に会いに行きたいって聞かなくて。園長先生が、多分眠っているだろうから、顔を見るだけなら大丈夫だって言ってくださって。こちらこそ、すみませんでした」

「いいえ、私はとても嬉しかったです」

「でも、本当に驚きました。王子、いや、本部長が先生の病室にいるなんて思ってもみなかったから」

「すみません」

「どうして先生が謝るんですか!」

「ねぇ、ママ、王子さまが菜々子先生ににキスしたんだよ」

「え?」

「こら、桃!」

「だって桃が教えてあげたんだもん。教えてあげたから菜々子先生が目を覚ましたんだもん」

いったい桃ちゃんは何を言っているのだろうと不思議に思っていると

「先生すみません。意味がわかりませんよね」

風間さんは明らかに困惑している。

「病院で何かありましたか?」

「い、いえ別に」

気のせいだろうか、風間さんの顔が赤くなってきた。

「彼が何か言いましたか?」

「えっ!いえいえ」

「お兄ちゃん、先生のことが大好きって言ってたよ」

「こら、桃!もういいから」

隼人さんは本当に言ったんだな。
風間さんのこの慌てぶりから、キスやら大好きやら、どんなやり取りがあったのだろうと想像し、私も段々恥ずかしくなってきた。


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