愛されることに 慣れていなくて
「菜々子、行こうか」

俺は店長とスタッフにお礼を告げ、サロンを後にした。

ここからはリムジンだ。
乗って来たセダンは既に早水さんが移動させてくれている。



先手を打たれてしまったプロポーズだが、やはり自分からもしたいと考えた。

プロポーズを受ける前から、密かに計画は
していたものの、彼女が旅行に行くと言い出し、早水さんにキャンセルするよう頼んでいた。

彼女にクリスマスイブをホテルで過ごしてもらおうと思い立ったが、日時が迫っていたこともあり、案の定、どのホテルもスイートは満室だった。だが、俺の執事は優秀だ。キャンセルが出たところを隙なく抑えてくれた。
ディナーの予約もしてくれた。

そうやって抑えてくれたディナーやホテルをキャンセルさせるのは申し訳なかったが、彼女がいないのなら意味がない。
早水さんは快く「かしこまりました」と言ってくれた。

だが、実際にはキャンセルしておらず、俺に本当にキャンセルして良いのかと最終確認してきた。そして俺は菜々子に本当に旅行に行くのか確認したのだった。

彼女の旅行がマンションにいたくなかったからだという理由に、自分に腹が立ち、驚き、落ち込んだが、今はここにいたいと言ってくれて安堵した。

ならば、プロポーズ大作戦の決行だ。


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