愛されることに 慣れていなくて
隼人さんに手をとられ、表に出ると、一台のリムジンが止まっていた。

白い手袋をはめた男性がドアを開ける。

乗り込んだ私は、初めて目にする、しかも初めて乗ったリムジンの車内に溜息の嵐だった。 

リムジンの窓から外を眺めてみる。

金曜日のイブとあってか、仕事を終えたスーツ姿の人たちに混じって、おしゃれをしたカップルや、花束を手にした男性、大学生グループだろうか、楽しそうに笑っている人たち、皆それぞれが、沈んでいく太陽に導かれ、イブの夜へと誘われているようだった。

「みんなこれから何を過ごして過ごすのかなぁ。素敵なイブになるといいなぁ」

「菜々子、君にも素敵なイブを過ごしてもらいたいよ」

そう私に言ってくれた彼は、私の隣に座り、終始にこやかな表情で、ずっと私の手を握りしめていた。



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