愛されることに 慣れていなくて
フレンチレストランなんて37年生きてきて、入ったことなど一度もなかった。コース料理も結婚式の披露宴に呼ばれた時くらいしか食べたことがない。
所作がわからず、足が震えた。
早く教えて欲しかったと彼に言ったが、サプライズにならないと笑っていた。
笑っている場合ではないと思いつつも「心配するな、俺がついている」と言われ、大丈夫なような気がした。
練習した通りに彼が少し顎を引いてくれたので、そのまま腰を下ろした。
どうやらちゃんと座れたようで安堵した。
それからは彼の真似をしながら食事をした。
彼と、お店の人には申し訳ないけれど、正直、食事の味は覚えていない。
きっと、久我山家に嫁げば、彼の父親が言っていたように、要人の相手をするために、こういうところで食事をしたり、何かのパーティーに同伴したりしなければならないのだろう。
そんなところに突然放り込まれなくて良かった。一度でも経験しているのとしていないのでは大きく違う。
けれど、私は嫁として受け入れてもらえるのだろうか。
隼人さんは私と結婚してくれると言ったけれど、久我山家の人たちが許してくれるだろうか。父親のあの圧のある姿が浮かんだ。
考えれば考えるほど不安が募るので、もう考えないようにした。彼にあげたこの時間を、今は大切にしたい。
所作がわからず、足が震えた。
早く教えて欲しかったと彼に言ったが、サプライズにならないと笑っていた。
笑っている場合ではないと思いつつも「心配するな、俺がついている」と言われ、大丈夫なような気がした。
練習した通りに彼が少し顎を引いてくれたので、そのまま腰を下ろした。
どうやらちゃんと座れたようで安堵した。
それからは彼の真似をしながら食事をした。
彼と、お店の人には申し訳ないけれど、正直、食事の味は覚えていない。
きっと、久我山家に嫁げば、彼の父親が言っていたように、要人の相手をするために、こういうところで食事をしたり、何かのパーティーに同伴したりしなければならないのだろう。
そんなところに突然放り込まれなくて良かった。一度でも経験しているのとしていないのでは大きく違う。
けれど、私は嫁として受け入れてもらえるのだろうか。
隼人さんは私と結婚してくれると言ったけれど、久我山家の人たちが許してくれるだろうか。父親のあの圧のある姿が浮かんだ。
考えれば考えるほど不安が募るので、もう考えないようにした。彼にあげたこの時間を、今は大切にしたい。