愛されることに 慣れていなくて
食事を終え、表に出ると、再びリムジンに乗り込んだ。

窓から外を眺める。
どこもかしこもイルミネーションが輝いていて、冷たい空気の中で輝き放つその光は、とても美しく神秘的だ。

隼人さんは私の手を握りしめている。
リムジンに乗っている間は、ずっと手を繋いだままだった。



しばらくすると、リムジンは都内の高級ホテルの正面玄関に横付けされた。


彼に手をとられ、エントランスを抜ける。
正面には段差が緩やかな大きな階段があり、2階ほどの高さがあるクリスマスツリーが輝きを放っていた。

彼がフロントで名前を告げている。
私はホテルを見渡した。あららこちらでオシャレをした人たちが思い思いに過ごしている。

でもやはり目がいってしまうのは、小さな子供たちだった。ご両親に手をとられ、みんな楽しそうだ。
髪をツインテールにし、フリルドレスを着た女の子がなんとも可愛らしい。

ツリーの横で、キッズ用のフォーマルを着た小さな男の子が、自分の背丈よりも大きな箱を抱えている姿に思わず笑みが溢れた。

私はふと大階段の方へ視線をやった。

やった瞬間、私は駆け出していた。

おぼつかない足取りで階段を上っていた小さな子が目に入ったのだ。途中階段に座り込んだ。このままでは後ろ向きに落ちてしまう。
その子がおもむろに立ち上がった。

危ない!

私は階段を駆け上がり、子供を抱えた。ホッとしたのも束の間、ヒールの踵が段差を踏み外し、バランスを失った。

「坊ちゃん!」

男性の声が聞こえた。



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