愛されることに 慣れていなくて
「花さんですか⁉︎」

「ああ、見ているだけでそれでいいのかってな」

「私のこと、花さんは知っていたんですね」

「俺の想いは知っていた。もちろん、君の顔は知らない。知らなかった、だな」

そうなのか、だからあの時、私のことについて色々訊かなかったのだな。聞く必要がなかったのだ。

「菜々子、俺は君を愛している。今も昔もこれからも」

真剣な眼差しで私を見つめ、美しく温かい手が私の顔を包む。

こんなに嬉しいことがあるだろうか。
嬉しいという表現だけでは足りない。

私は彼の手に自分の手を重ねた。

「隼人さん、私は幸せ者です。愛してくれてありがとうございます」

彼は微笑み、私の唇にそっと自分の唇を重ねた。

あの時泣いていた男の子が、早水さんに手を繋がれ歩いていった男の子が、彼の背を追い越し、こんなに素敵な男性になっていたなんて……

もう、今の私にとって、彼はなくてはならない存在になっている。心から、愛し、愛される喜びを与えてくれた。
愛している。私は隼人さんを愛している。

彼の唇は私の唇から離れ、私の額に自分の額を合わせる。

私たちは見つめあった。
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