愛されることに 慣れていなくて
「あのぉ、久しぶりとは、どういうことでしょうか?」

「覚えておらんかな?」

「菜々子、じいちゃんと俺は、13年前、君に会っているんだよ」

「え⁉︎」

「その日は、12月なのにとても暖かかった。君は子供たちと、アブラハムには〜7人の子って、元気に踊ってた」

私は記憶を辿った。13年前……

あっ!

思い出した。スーツ姿の人たちが、ゾロゾロと幼稚園にやって来たことがあった。私は園庭で子供たちとリズム運動をしていた。
あの時の……

「思い出した?」

「はい。……思い出したらとても恥ずかしくなってきました」

「恥ずかしくはないよ、菜々子さん。あれが、素の貴女だ。隼人を頼んだよ」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

あの時の私を覚えていてくれた。ずっと前から二人の記憶の中にいたのだと思うと段々目頭が熱くなってきた。

「隼人、椿さんにも会わせてあげなさい」

「うん、わかった」

私は隼人さんに連れられ、和室の前にやって来た。
彼が襖を開けると、お線香の匂いが漂って来た。

奥の仏壇の前には誰かが座っている。

「親父、ここにいたのか」

私は頭を下げた。

隼人さんと一緒に、お父さんの傍に正座した。

「椿、見てるか。俺たちの隼人が、結婚するんだ。可愛い女性だろう」

「親父……」

「これからも、見守ってやってくれ」

「親父、ごめんな。それから、ありがとう」

お父さんは彼の肩をポンポンと叩くとそのまま部屋を出ていった。

私はお母さんの写真をに手を合わせた。
写真の中のお母さんは、とても綺麗で、優しく微笑んでいた。

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