愛されることに 慣れていなくて
「菜々子、そこに何か描いてあげたらいいんじゃない?」

母は地面を指差した。

「うん、そうだね」

私は落ちていた枝を使い、丸い顔の人気キャラクターを描いた。ついでに、四角い顔のキャラクター、三角顔のキャラクターを描いた。テーマ曲を口ずさみながら描いた。
気がつけば、地面がキャラクターファミリーでいっぱいになっていた。

「レンジャーブルーがいい」

男の子がおもむろに口を開いた。

「レンジャーブルー好きなの?」

男の子はコクンと頷く。

やっぱり男の子は戦隊者の方がよかったのだなと、少々反省した。
子供たちの間では今何が人気なのか、母が常にチェックしていたので私もわかっていたはずなのに…
同時に、歌いながら描いたことに恥ずかしさを覚えた。

「そっか、じゃあ…」

私は大きくレンジャーブルーを描いた。

「どう?これでいい?」

「うん」

「よかった」

「レンジャーブルー、カッコいいよね」

「うん」

私は男の子の目を見ながら微笑んでみせた。
男の子も少しだけ笑ったような気がした。
母を見ると、母も微笑んでいた。
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