愛されることに 慣れていなくて
3年でホテルを軌道に乗せ、俺は本社に戻った。

俺はもう、あの頃の何もできない子どもではない。
精神的にも大人になったのではないかと思う。

大失恋をした日、捨ててしまおうとした淡いブルーのハンカチを結局は捨てきれず、早水さんに渡していた。
そのハンカチをどうしたのか尋ねると、ずっと大切に保管していたと、持って来てくれた。


彼女は幸せに暮らしているだろうか?自分の子どもに囲まれて笑顔でいるだろうか?
ハンカチを眺めながら彼女の優しい笑顔を思い出す。

17才で蓋をした気持ちはこの10年、一度も表に出すことはなかった。

幸せならそれでいい、それで…

俺は意を決して確かめることにした。

早水さんに頼んで調べてもらった彼女の現況は、俺の想像していたものとは違っていた。
一緒に指輪を買っていた男とは結婚前に別れたようだった。現在も結婚はしていない。ただ、若い男と同棲はしているとのことだ。しかも、久我山グループが管理するアパートで。

日向菜々子、君は今幸せなのか?
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