愛されることに 慣れていなくて
赤森真太郎(あかもりしんたろう)30才
肉親はいない。
調理学校を卒業し、都内のフレンチレストランで見習いとして働いたいたが、キャバクラで暴力沙汰を起こし解雇。
その後、職を転々とし現在に至る。
「暴力沙汰で解雇か、最低だな」
「それが、それには事情がありましたようでで」
「どういう事情だ?」
「ベリーを侮辱されたからだとか」
「ベリー?なんだそれは」
「キャバクラのママに話を訊きに行ったのですが、そこに当時を知る従業員がいまして、いろいろと話してくれました」
キャバクラにはベリーという従業員がおり、赤森は彼女に惚れ込んだ。彼女もまた然り。
将来店を持ちたいという赤森の希望を叶えてやりたいと、必死に働いていたが、常連客に持ち帰りをされた。それを知った赤森はベリーを問い詰めるも、ただ酒の相手をさせられただけだという彼女の言葉を信じる。
だが、常連客と赤森がブッキング。端の方で飲んでいた赤森。
「いい身体だったよ。可愛い顔してベッドの上ではもっともっとって、淫乱もいいとこだぜ」
その言葉に激怒した赤森は、常連客の顔面を拳で殴ってしまった。
警察沙汰となり、店を解雇。
「ですが隼人様、それには続きがあったんです」
「菜々子との出会いか?そんなものは聞きたくない」
「いいえ、そうではありません」
「違う?」