目は口ほどに物を言うと言いますが 〜筒抜け騎士様は今日も元気に業務(ストーカー)に励みます〜
図書館はこんな風に新たな出会いがあって、とても楽しい空間なのだけど……。
(うーん……届かない……)
背伸びをして必死に手を伸ばすけれど、背の低いアメリアではなかなか届きそうにない。
職員さんを呼んできて取ってもらうこともできるけれど、忙しそうな彼らの手を煩わせるのは気が引ける。
(しかたないわ……)
諦めようと手を下ろしかけた時、背後から手を伸ばした人がアメリアの代わりにその本を棚から抜き取った。
突然背中に感じる鍛えられた男性の気配に、アメリアは身を竦める。
まるで後ろから抱き締められているような。
誰なのかわからないのが怖くて、恥ずかしい。
アメリアが固まっていると、背後の彼は静まり返った空間に配慮したのか、ひそひそと彼女の耳元で囁いた。
「欲しかったのはこちらですか?」
思わず漏れそうになった悲鳴を咄嗟に抑えたことを褒めてほしい。