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お父さんが入院して最初の週末、僕は碧とお見舞いに行った。
素っ気ない、ほんの数分の対面だった。
会話もわずか。
「じゃあ、帰るわ。」
僕の車に乗り込んで、走り始めてから、碧はポツポツと話し始める。
「お父さんが、がんばれよって言った。」
そして突然、滝のように涙を流し、それでも声一つ出さずに泣いた。一分以内だっただろう。
たしかに僕にも聞こえた。
でも、がんばれよなんて、ふつうじゃないのか。
まだ僕には「がんばれよ」の前に、どんな言葉があるのかは、全く分からなかった。
じゃあ碧にはわかっていたのだろうか。
何の教科も、ほとんど授業に取り残される碧を、少しだけ軽く見てしまう僕がいた。
その時の僕は、教科の学習ではない、嗅覚や洞察という知性を見くびっていたのだろう。
碧には、わかっていたのだろうか。
その時が、碧の泣き顔を見た、最初で最後だった。
素っ気ない、ほんの数分の対面だった。
会話もわずか。
「じゃあ、帰るわ。」
僕の車に乗り込んで、走り始めてから、碧はポツポツと話し始める。
「お父さんが、がんばれよって言った。」
そして突然、滝のように涙を流し、それでも声一つ出さずに泣いた。一分以内だっただろう。
たしかに僕にも聞こえた。
でも、がんばれよなんて、ふつうじゃないのか。
まだ僕には「がんばれよ」の前に、どんな言葉があるのかは、全く分からなかった。
じゃあ碧にはわかっていたのだろうか。
何の教科も、ほとんど授業に取り残される碧を、少しだけ軽く見てしまう僕がいた。
その時の僕は、教科の学習ではない、嗅覚や洞察という知性を見くびっていたのだろう。
碧には、わかっていたのだろうか。
その時が、碧の泣き顔を見た、最初で最後だった。