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児童相談所の人が、学校を訪れるようになった。
お父さんのいない家に、子どもだけが住んでいるのは、よくないらしかった。
初めは聞き流していた。
そのうち、この状況を放置できないという申し入れに変わり、児童福祉施設への入所を勧められるようになった。でも碧は、相談所の人がいくら説得しても聞こうとしなかった。
相談所の人は、困って学校にやってきた。理由はわからないけど、僕が説得すれば、碧は従うようだと言われた。子どもだけで暮らすなんて放置できないと言われたら、どちらの側に立つのがいいのだろう。でも、僕も教育公務員だ。正式に依頼され、職務になってしまうと、逆らうことを禁じられる。
とりあえず、碧と話をしたいという要望だった。そこまでなら、と思った。
碧は、会うこともグズった。
会うだけだから、僕も同席するから、と説得した。
児童相談所の人と碧の対面で、碧は何度もたずねた。
お父さんが治ったら、またいっしょに暮らしていいの。
碧は、中学生でいてもいいの。
どちらの問の回答もYESだった。
当たり前じゃないか。そんな不安のために嫌がっていたのか。それを確認すれば安心できるなら、簡単だよ。
決して語彙の多くない碧には、反論する力はない。なんとなく説得が終わり、碧と相談所の人が合意した…みたいに見えた。
僕はほっとした。
ただ、見落としたままだった。
碧は不安をこえた何かに、気づいていたのかも知れない。
一時的に、この学校からは離れた施設に入ることが決まった。
お父さんのいない家に、子どもだけが住んでいるのは、よくないらしかった。
初めは聞き流していた。
そのうち、この状況を放置できないという申し入れに変わり、児童福祉施設への入所を勧められるようになった。でも碧は、相談所の人がいくら説得しても聞こうとしなかった。
相談所の人は、困って学校にやってきた。理由はわからないけど、僕が説得すれば、碧は従うようだと言われた。子どもだけで暮らすなんて放置できないと言われたら、どちらの側に立つのがいいのだろう。でも、僕も教育公務員だ。正式に依頼され、職務になってしまうと、逆らうことを禁じられる。
とりあえず、碧と話をしたいという要望だった。そこまでなら、と思った。
碧は、会うこともグズった。
会うだけだから、僕も同席するから、と説得した。
児童相談所の人と碧の対面で、碧は何度もたずねた。
お父さんが治ったら、またいっしょに暮らしていいの。
碧は、中学生でいてもいいの。
どちらの問の回答もYESだった。
当たり前じゃないか。そんな不安のために嫌がっていたのか。それを確認すれば安心できるなら、簡単だよ。
決して語彙の多くない碧には、反論する力はない。なんとなく説得が終わり、碧と相談所の人が合意した…みたいに見えた。
僕はほっとした。
ただ、見落としたままだった。
碧は不安をこえた何かに、気づいていたのかも知れない。
一時的に、この学校からは離れた施設に入ることが決まった。